「カンボジアで農業を始めたきっかけとは」
ある人と出会い、「農業をやらないか」と言われました。縁もゆかりもない農業、特に日本という国は本当に島国で、正直あまりグローバルじゃないというか、鎖国的な部分がある。とはいえやはり日本で農業をやるのが本当は一番いいんですけど、コスト的な部分とか、いろいろな規制とか、業者のしがらみとかがあるので、一度カンボジアでそういう農業をやっている日本人に出会い、縁があったので始めてみようじゃないかと思いました。私は単位はそこまで分からなかったんですけど、最初50ヘクタールからの話があって、最終的に8ヘクタールを購入しました。それもカンボジアという国では、日本人は地べた土地を100%買えるわけではなく、49%を私が買って、残りの51%は現地のローカルが買ってリースを組むというそういう流れなんです。
「山奥の秘境の土地を買い、走り出してしまった・・・」
実際、現地はカンボジアの秘境の地というかすごく山奥なんです。私も買ってから2年後ぐらいですかね。初めて現地に行ってちょっと驚いたんですけど、こんな土地を買ったのか、みたいな土地でした。ノリで買ったのはいいんですけど、もう苗を植えて、もう育っちゃったものなんで、もうやるしかないな、と覚悟を決めました。そこで育てているのがこのコショウなんです。今、日本もコショウブームになっているみたいでして、この前もマツコ・デラックス出演のテレビだったかでやっていたんですけど。これ、黒いんですが生なんです。緑の状態っていうのはどういう状態かと言いますと・・・ちょっと持ってきていいですか?
「生コショウ食品とは?」
生コショウの実は、ぶどうみたいですが、もともとこういう緑色の状態なんです。ここからだんだん色が変わって真っ黒になって、ミルしたものが皆さんが一般的に使っているものになるんですね。うちではこれを生の状態で塩漬けにしたり、佃煮にしたりして商品にしています。ごはんにかけたりとか、肉と一緒に食べたりとか、あるいはチーズ合わせたりとか。とにかく何にでも合います。ペペロンチーノ、パスタとかサラダでも。なぜこれを作っているかというと、おいしいから(笑)っていう話になるんですけど、世界的には歴史をさかのぼればね。シルクロードにおいて、コショウの商売で金とか銀とか、大金を成すという話ですね。今ではただのコショウですけど、ちょっと世界中に発信していきたいな、と思います。
「イチから物を作り、商品化することの面白味」
海外でも一応スーパーとか、卸先に営業に行ったりもしてます。コショウ以外にもコーヒーとかレモングラスとか、あとバナナとかさとうきび、ココナッツミルクとか、あとアボカドもありますね。いろいろ何て言うんですかね、スーパーフードというかオーガニックでケミカルフリーですね。ケミカルフリーでかつ体にいい。ウコンとかもやっているんですけども、とにかく日本向けに輸入したりとか、あと海外に発信したりとか。不動産の応用じゃないですけど、物作りの方にちょっとハマっちゃいまして、イチから物を作って、商品化して、というのにやっぱり面白味を感じています。
「現地の雇用貢献につながれば」
あとはやっぱりカンボジアの貧しい農民に毎月給料を支払っているので、潤ってほしいという気持ちですね。私の持っている畑の中の、掘っ立て小屋で暮らしていますので、やっぱり貧しい国の人が潤ってこそ、ウィンウィンになれたらという気持ちが強いですね。正直、一個売っても何円とか何十円の利益の世界ですけど、最終的にそういうとこに行きついたというか、そんな感じで今はやっております。