「不動産投資家でありながら飲食業へのチャレンジへ」
不動産投資家として不動産事業を営みながら、2011年以降にまず焼き鳥ワインバーというのを始め、南青山で半年ぐらいやっていました。雑居ビルの3階で駅からは遠くて、集客にはすごく苦戦したので、毎月の家賃が50万円ぐらいだったんですけど、赤字で全然うまく回らなかったんですね。
そのあと地域活性じゃないですが、地方にある保有物件の1階を再生してみようかと思い、ラーメン屋を始めました。それもちょっと前の流行ですけども、“男のラーメン”シリーズで男気ラーメンです。群馬だったんで赤城山にちなんで「アカギ」、あと千葉の方では、私がサーフィンとか海が好きなんで、男気ラーメンの「俺の海」というシリーズを4、5年やりました。それから小岩にある、自社開発のモダンピース小岩というマンションの1階でもラーメン屋をやったんです。そこは神戸のちぇりー亭さんとコラボしてやりました。実際ブームが去ったかどうかはわからないですけどね。今では、海外ですごくラーメンが流行っています。
「人材は育ったが利益を考えると難しかった」
それでも、前の不動産と比べて利益が出るわけではなくて、従業員の給料を払って、トントンなのかなっていう。トントンとはいいながらも、物件は油もすごいですし、ネズミは出ますし。従業員も独立して将来自分たちでやっていくという話だったので、のれん分けというか、そのままプレゼントしました。そんなわけで、去年、一昨年にはラーメン事業から撤退しました。
千葉の、俺の海のラーメンの従業員だった人はジビエというか狩猟で有名になっちゃって、毎日イノシシ狩りやキョン狩りに出て、山小屋で仙人みたいな暮らしをしています。もうそれこそイノシシ200匹とかキョンとか、保健所から駆除の依頼が来て、何百匹と狩猟しています。たまにバーベキューなんかに呼ばれて、イノシシバーベキューとかイノシシカレーとか、シカを捌いて振る舞ってくれたりとか。そういうちょっとマニアックな方向に彼が進んでいて、私もそれはそれで楽しいかなと思っています。
「カンボジア農業との縁とは」
飲食業についてはもう本当に疲れてしまったので、飲食業はもうやらないだろうと思っていた矢先のことでした。たまたま私はタイで不動産投資をしており、コンドミニアムを買っていまして、その流れで、カンボジアとの縁がありました。隣国ですがすごく貧しい国で、私が若い時、旅人というかバックパッカーをしていた時に、アンコールワットですとか、シェムリアップとか、結構遊びに行っていたんです。カンボジアでは、最初はリバーサイドというか、シンガポールみたいにマリーナベイサンズみたいなものを作っていて、それに私の知人がコンドミニアムを買って投資しているので。視察を兼ねて見に行ったのがきっかけなんです。
そこである人と出会い、「農業をやらないか」と言われました。